プロフェッショナリズムを追求する旅

戦略コンサルタントという理解し難い職を通じて感じるところ等々、徒然に書いて行きます

早くに昇進することの是非

育成の話をする際に議論をするポイントになり易いのが「早くに昇進することが良いのか否か」ということ。 この場合、例えば目安4年の職位に対して3年で上がる(1年スキップする)、というようなものではなく、2年、場合によっては1年で上げることが良いのか…

新社会人に伝えたいこと

新年度の開始に際し、新社会人の方々に伝えたいことを過去記事等からリストアップしたので、興味が有れば(&時間が有れば)読んで頂きたい。 なお、内容を細かく読み返したりはしていないので、重複している要素が有ったり整合性の問題が有ったり、というこ…

マネジャーになるまでにすべきこと

コンサルタントのキャリアの中で、一つの大きな転換点がマネジャー昇進だと思う。 ファームに属していていれば「コンサルタントをやっています」と言えるわけだが、本当の意味でのコンサルタントとしての勝負はマネジャー昇進によって始まると考えている。 …

沈黙・余白を怖がらない

プレゼンテーションの際、相手に意見を求めた時などに「沈黙」が生じるとそれを埋めに行く人が居る。 相手から求められていないのに補足の説明をしたり、説明を言い換えたり。 これは止めた方が良い。 相手に意見を求めた際、即座に返答が無い場合というのは…

「痛い目」に遭う経験も必要

優秀と評される人が、あるタイミングで大きく躓く経験をすることは多い。 結構多いのが、入社直後に「非常に優秀」と言われたスタッフが、アソシエイト辺りで完全に伸び悩み、そのままアウトするケース。それまで「躓く」もしくは「挫折」という経験をしたこ…

受けている指導の有難みなど分かるはずがない

昨日、Twitterで書いたことに絡んで。 私も昔は徹底的に赤入れしてましたが、「他の人は何も言わないのに小暮さんだけが私の作った議事録に文句を付ける。これは嫌がらせだ」と言われて以来、最初の1回以外は、本人から頼まれ、かつ、期待できる相手以外はや…

書籍録「アパレル興亡」

黒木亮氏の新刊。 アパレル興亡 作者:黒木 亮 発売日: 2020/02/20 メディア: 単行本 著者の経済小説は全て読んでいるのだが、今作も非常に面白い。但し、これまでの作品とは少し毛色が違う。 この本はアパレル業界の歴史を描いた小説、という感じ。 一応、仕…

育成の観点から見た議事録を作成する意味

Twitterで議事録に関して書いたら反響が大きい。 議事録作成は入社後すぐ、徹底的に赤入れして貰うべき。日本語作文の基本なので、ここで矯正されないとスライド等全てで質が上がらない。能力の高いコンサルは若い頃に徹底した訓練をされているはず。とは言…

「考える」とは何なのか

コンサルタントに限らないが、「考える」ということで決定的な要素は「言語化」。これが出来ないと「考える」ことは終わらない。 考える能力が低い人を見ていると、そもそも「考える」ことのゴールが分かっていないように感じられることが多い。「しっかりと…

「『壁の乗り越え方』の見付け方」を身に付けることが必要

これはコンサルタントに限らない話だと思うが、若手のうちに身に付けなければならない最大のものは「『壁の乗り越え方』の見付け方」だと思う。 恐らく社会人になると、様々な知識・スキルを習得しなければならないはず。コンサルタントに関しては特にこの点…

「やったことない」ことの「やり方」を自分で考えることに意味が有る

昨日Twitterで書いたことに絡んで。 とは言え、既に社内に有るツールですら「使ったことがない」と言って自分から学ばない人が多い。大概のツールは気合い入れれば数日でマスターできるから、「使えるか」と聞かれたら「すぐに使えるようになる」と返事して…

二流の奴が一流の人と真っ向から闘っても勝てるわけがない

取り敢えず、タイトルを煽る感じにしてみたが、私の一つのポリシーというか闘い方の前提のようなもの。 特に戦略系ファームの場合、極めて頭が良く、コミュニケーション能力も高い人間が集まっている。謂わば「一流」の人。基本的にはこの中での闘いになる。…

「土台」が出来て初めて価値を出す勝負に臨める

昨日書いた記事に絡んで。 takashi-kogure.hatenablog.com 資質の面で大きな問題が有るわけではないのに、早々に脱落する若手というのが一定数居る。過去に数多く見て来た。 この人達に共通することを考えると、「基本を疎かにしている」という点に尽きると…

若手の価値の出し方

20年程、コンサルファームで働いているが、ファームでの仕事の進め方はこの間にかなり大きく変化していると感じる。 顧客側からの要求などの変化も有るし、属する人材の質の変化など、色々な要素が影響しているが、最も大きいのは情報収集に関するツールの変…

論理の前提の捉え違いに気付かない場合が多い

Twitterで書いた下記のことについて。 コンサルは論理に裏支えされた提言が必要。これは間違いない。ここで書かれているのは、「論理」の前提の捉え違いだと思う。経営において絶対的真理はないので「価値観」を前提に組み立てるが、そこに思い込みが入って…

「仮説検証」でスタッフが示すべきこと

昨日書いた下記の記事に関して。 takashi-kogure.hatenablog.com スタッフが最初に任される作業は「仮説検証」だと思う。 上位者が示したり、ミーティングの場などで打ち出された仮説について、調査および分析を通じてその検証を行う作業。 この際、若手スタ…

「答え」は論理的に導かれているわけではない

例えば顧客に対する、ある市場から撤退すべきか否か、という提言をする場合。 「撤退すべき」か「撤退すべきでない」という、いわば「答え」をコンサルタントはどのように導いているのか。 「戦略コンサルタントは事実と論理に基づいて考えている」というよ…

働く場所を選ぶ際には自分の判断軸で選んだ方が良い

採用面接の際などに強く感じるのは、コンサルタントに応募して来る人のかなり多くが応募する先を間違っている、ということ。 資質もしくは志向、それぞれの面で「進むべき道はコンサルタントではない」と感じることが多い。 その理由は コンサルタントという…

成長に必要な外的要素

成長する上で、自身の意識・行動は当然不可欠だが、同時に外的要素/環境も重要だと考えている。やはり、成長できる環境というのは有る。 何が必要なのか。大きく3点だと思う。 目指す姿を体現している「本物」 課題を的確に指摘してくれる「コーチ」 切磋琢…

コンサルタント向け推奨書籍(2. 専門知識編)

先日、スタッフ向け推奨書籍の中で基本的な意識・スキルに関するものをまとめたが、今回は戦略や組織等の各専門分野について学ぶ上での「教科書」的な書籍について。 各分野で様々な本が存在し、良い本も勿論多い。正直、好き嫌いの問題も多いので、別にどれ…

現状に不満を持ち、将来を過信する

よくスタッフへの評価面談の際などに伝えている言葉。 「現状に不満を持ち、将来を過信することが必要」 それは何となく、自分自身に言い聞かせているようにも思う。 人は現状に満足をしてしまった時に成長が止まると思っている。また、将来に対する過信が無…

書籍録「昭和16年夏の敗戦」

最近、本棚の整理(入れ替え)をしている際、ふと目に留まり再読した本。 改めて読み、唸った。 昭和16年夏の敗戦 (中公文庫) 作者:直樹, 猪瀬 発売日: 2010/06/25 メディア: 文庫 太平洋戦争開戦前に、仮に対米戦争を仕掛けた際に勝てるのかを軍部の若手エ…

言葉に対する感度を上げる

昨日からTwitter上で言葉に関して他の方とやり取りしたり、書いたりした。そもそも、日頃から私が書く内容は言葉に関することが多いと思う。 幾度も書いたが、言葉はコンサルタントにとって唯一の武器。 加えて、認識のための大切な手段。「考える」というコ…

コンサルタント向け推奨書籍(1. 基本意識・スキル編)

スタッフ向けに推奨図書をリスト化して渡したりしていたのだが、自分の頭の中の整理も兼ねてブラッシュアップ&絞り込みをした。 やはり、絞り込んで行くと定番本が多くなるが、良いものは良い。 まずはコンサルの基本的な意識やスキルの部分について。 追っ…

ある時期からは案件の選り好みも必要

Twitterで書いた下記の点についての補足。 本当に駆け出しの頃は選り好みすべきでないと思っている。全てが自分の糧になる。しかし、若い頃は幅を広げることも大切だし、明確に「違う」と思うことは断った方が良い。優秀な人ほど何も言わなければ都合良く使…

上位者のレビューは怖かった

昼間に、こんな感じに偉そうなことを書いてみた。 今のファームで若手に決定的に足りないのは「この案件について俺が一番考えている」という意識というか気概。100%アサインの若手は上位者より遥かに多くの情報を見て、遥かに長い時間その案件を考えている…

人材エージェントは応募者の側に立っているわけではない

特に転職希望者を見ていて思うのは、人材エージェントについて「自分(転職希望者)のことを第一に考えて行動してくれる」と勘違いしている人が非常に多いということ。 エージェントの言うことを真に受ける人が多過ぎる。 これは大きな勘違いだということを…

在宅勤務ではなくわざわざオフィスへ行く理由

私は日頃から在宅勤務を基本としている。意味も無くオフィスに行くことはしない。 これは若手の頃からの習慣で、自宅でできることを通勤時間という無駄な時間を費やしてオフィスでやる意味を感じないことに加え、自分の作業に要している時間を周りから見えな…

若いうちに営業を経験した方が良い

若いうちに経験した方が良いこと。 別に「旅」とか言いたいわけではない。 (旅は若いうちになるべく経験した方が良いと思うが、今回のテーマではない) 昨日、このようなことをTwitterで書いた。これに絡んで。 私は大学時代の飲食店のバイトで叩き込まれた…

書籍録「シン・ニホン」

まだ読み途中だが、この本は凄い。 今まで、著者のこの点についての考え方について見聞きすることは有ったが、書籍になり改めてしっかりと読めるのは有り難い。 戦略コンサルタントという仕事をしていれば、それぞれの話はある程度既に考えていることだと思…