プロフェッショナリズムを追求する旅

戦略コンサルタントという理解し難い職を通じて感じるところ等々、徒然に書いて行きます

非連続的な成長ポイント

先日、twitterで 「育成は上司の役割だから指導等はして貰って当然」という発想は止めた方が良い。本気の育成は凄い負荷が掛かるから、それに値すると判断した相手にしかしない。他は当座の仕事をこなすため(=上司自身が楽をするため)の指導。成長したけ…

世界史の学び方

twitterで書いた 戦略コンサルで勝負するなら、世界史、マクロ経済、心理学の3つは少ししっかりと勉強した方が良い。同じ事象を見ても、この3つを学んだか否かで見え方が大きく変わる。マネジャーになって落ち着いた頃から取り組むのがお勧め。(それ以前は…

「知っているけど情報が古い」は「知らない」よりも危ない

意思決定をする際の前提となる情報。 これらについては「知らない」ままで進めるのも問題だが、「知っているけど古い」という方が遥かに危険だと思う。 しかし、実際にはこういった状態で意思決定をしているケースが結構多いと思う。 「現場を知り尽くしてい…

経営者に向けた勉強としてコンサルタントという仕事は相応しいのか

採用面接を行っていると、志望動機として「将来経営者になりたいので、そのための勉強をしたい」ということを挙げる人が少なくない。 (そもそも、採用面接の際に志望動機として「ずっとこの会社に居るつもりなど無い」ということを明言して受け入れられる業…

戦略コンサルタントは新卒が良いか/中途が良いか

採用活動などを通じて聞かれることが多いのが「戦略コンサルタントになるには新卒で入った方が良いか、それとも事業会社を経験してから中途で入った方が」という質問。 ちなみに私は、コンサルタントになる前に3年間だけ事業会社を経験している。その後に総…

若手のうちは質より量

自分自身の現在を考えると、結構「楽」をできていると思う。 勿論、日々の仕事では色々と考えに詰まって苦悩したり、プレッシャーを受けたりということは多いけれども、それはこの仕事を続ける限りは避けられないもの。むしろ、それらが有るから楽しい、とい…

「報告書」について

コンサルタントの成果が一つの形として現されるものが「報告書」。 「報告書は読み手に対してしっかりと伝わるように作る」 言葉にすると至極当然のことなのだが、実際の報告書を見ると、かなり多くがこの当然のことができていないように感じる。 「最終報告…

「電柱を1本ずつ数える」の意味

少し前に話題になったATK新代表の関灘氏の記事に絡んで。 toyokeizai.net 38歳という若さも驚きだったし、今まで取り組まれて来たことの徹底度合いも衝撃的だった。映画『マトリックス』を100回見た、というのも、読む前にそのエピソードだけ人から聞いた時…

ミスを漏らさない行動癖付け

コンサルになって一番最初に必要なのは、「ミスを漏らさない行動癖を付ける」ということだと思っている。 色々な知識/スキルを吸収することも大切なのだけど、大前提は作業の正確性。特に数字/Excel作業について。 言われなくても「ミスは絶対ダメ」という…

「怖い」という気持ち

昼間に書いた「コンサルタントはかなり失礼なことをやっている」に絡んで、以前に考えて記していたことを改めて。 前職時代、自分自身がマネジャー卒業時期に差し掛かっていた頃の話。 アソシエイトのスタッフが新しい案件を受注したということでお祝いのメ…

コンサルタントはかなり失礼なことをやっている

「コンサルタントはかなり失礼なことをやっている」 コンサルタントという仕事を行う上で、この点は強く認識しておいた方が良い。 多くの場合において、豊富な経験と実績を持つ、その道のプロである経営者に対し、その領域の経験も実績も無い若造が「こうす…

戦略コンサルの将来

先日「戦略コンサルの変質」ということを書いたが、これは過去の変化。 それでは、将来どうなるかということ。 この点についての考えは自分自身でもまだ固まったものは無く、色々な人と議論している所なのだが、取り敢えず現時点での考えを整理する目的で書…

「仕事」と「労働」

今日、顧客社内で幾人かの中堅社員の方に色々とお話を伺う機会が有り、その中で「仕事のやりがい」という話題が出た。 この顧客は非常に安定している(客観的に見て将来性について懐疑的な部分は有るが、少なくとも社員の方々は安定していると認識している)…

戦略コンサルの変質

この業界に20年以上居る人にとって、戦略コンサルという仕事が変化しているというのは共通した感覚ではないかと思う。20年前とは業界が様変わりしている。 大きくは人材と案件(の性質・内容)の変化。これらの2つの視点から詳細を後述するが、その前に全体…

コンサルタントに必要な資質

前回、「コンサルタントには天性の資質が必要」と書いたが、では、どのような資質が求められるのか。 結論としては 論理的思考能力 抽象化能力 好奇心 ひねくれた性格 ドM という5つ。前2つが能力で、後ろ3つは性格。 戦略コンサルタントに必要な能力として…

コンサルタントには天性の資質が必要

「コンサルタントとしてそれなりの立場に立つには天性の資質が必要で、無い人はある程度までは行けても限界が有る」 これを言うと結構強く否定されることが有る。 例えばファームの採用活動の場などで公式にこの発言をすると、問題発言のように取り扱われる…

言葉を駆使して相手を動かす

戦略コンサルタントにとって唯一無二とも言える武器が「言葉」。 この仕事を行っていると「自分で動きたい」という衝動に駆られることも多いが、基本的に立場としてそれはできない。 主体的に関与することを積極的に進めているファームも有るが、本来的にそ…

コンサルファームで働く魅力

先日、twtter上で流れていて気になった「コンサルファームで働く魅力」という点について。 他の方が書いていたのは 仕事内容 成長スピード 給料 という3点だったが、個人的にこれらは決定的ではないと言うか、これらの点だけで考えればコンサル以外に進んだ…

内定者に伝えたいこと

この時期、今年だと'21卒内定者や’20卒入社予定者から多く聞かれる質問。 「入社までにどんな準備/勉強をしたら良いですか?」 もしくは 「どんな本を読んでおくと良いですか?」 私の答えは昔も今も同じで、 今の時期に勉強などに時間を割くのは勿体無い …

映画録「MERU」

嫁子供が寝て、体力的にも余裕が有るフライデーナイトに、酒を飲みながらAmazon Primeで映画を観る至福の一時。 ヒマラヤのメルー峰の直登ルート、シャークフィンの初登攀に向けた2回の挑戦のドキュメンタリー。 素晴らしい、の一言に尽きる。 一度目のアタ…

コンサルタントが業者扱いされる理由

最近はコンサルタントが「業者」に成り下がっているケースが多いように感じる。確かに業者に違いはないのだが、以前は「経営者のパートナー」という立ち位置で案件に(もちろん全ての案件ではないが)臨んでいたはず。一方で現在は「経営企画部の作業の外注…

因数分解・抽象化・具体化

戦略コンサルがやっていることは究極的には「因子分解」、「抽象化」、「具体化」という3つの要素に絞られると思う。 課題抽出をする際などには因数分解。 課題は基本的に「あるべき姿」と「現状」のギャップの中でボトルネックになる部分だが、あるべき姿を…

「戦略コンサルタント」の存在意義

前回は「戦略コンサルタント」を仕事の流れの面から分解して考えてみた。 takashi-kogure.hatenablog.com 今回は存在意義、もしくは、企業が敢えて戦略コンサルタントを雇う意義について。 個人的に戦略コンサルタントの仕事の本質は、顧客が持っている思考…

「戦略コンサルタント」とは何か

「戦略コンサルタント」という仕事がある程度の市民権を得てから随分と経つような気がするが、その仕事の内容についてはまだあまり正しく理解されていないし、そもそも「戦略コンサルタント」自身もその点についてしっかりと考えている人は多くないと思う。 …

健全な精神と健全な肉体

「健全な精神は健全な肉体に宿る」というのは誤用らしいが、とは言え、この2つの要素は密接に関わっていると思う。 仕事があまり良くない流れの時であっても、しっかりとトレーニングをできている時には精神状態が良好に保たれている気がする。 とは言え、こ…

コンサル業界が大きく変質する中でどのように一年を過ごすか

「コンサル業界が変質して来ている」ということは随分と前から言われていることだが、去年一年間を通じて、この変化が非常に大きなうねりとなって来ていることを痛感している。 自分自身、随分と長くこの業界に身を置いているが、今までのやり方では通用しな…