プロフェッショナリズムを追求する旅

戦略コンサルタントという理解し難い職を通じて感じるところ等々、徒然に書いて行きます

コンサルタントとしての成長に不可欠な要素

戦略コンサルタントの若手に関して、成長のために何をすべきなのか。

勉強すべきこと、経験すべきことは多いが、意識して取り組むべきことは

  • 良質な成果物を読み込む
  • 徹底的なレビューを受ける

という2点の「量」を積むことだと思う。

 

成果物については、プロジェクトにおいて接するものだけでは全くもって不十分。しかし、ただ闇雲に見ても無駄なものも多い。

正直、成果物の質には大きな差が有る。特にマネジャー主導で進んでいる(パートナーがあまり成果物作成に関与しない)案件は玉石混淆。良い成果物か否かは経験が浅くてもある程度感じ取れると思うが、重要なのは「良質な成果物を」読み込むこと。

その際には

  • 他にどのような仮説を立てることができ、その中からなぜその結論に辿り着いているのか
  • それぞれのメッセージに対して、どのような「見せ方」をしているのか

といったことを意識して読むと良い。前者は思考訓練、後者は成果物作成訓練。

特に思考訓練については、自分なりに考えた上で、実際に案件を回していたパートナー/マネジャーに質問をぶつけるとより効果的。質問して来た相手が「育成に値する」と捉えられているスタッフであれば、上位者は(勿論、その時に時間が有れば)丁寧に回答するはず。

 

レビューについて。

成果物を読み込むのは重要だが、それを繰り返していても「できる」ようにはならない。サッカーで一流選手のプレーを徹底的に見ただけでは(イメージの中では凄いプレイヤーになれても)全く上達しない。

ひたすら実践が必要なのだが、コンサルタントのアウトプットは自分自身では善し悪しが判断つき辛い。ある程度経験を積むと自分自身で見直して判断できるのだが、経験が浅いと「できたつもり」になる。

 

そこで必要なのが徹底的なレビュー。

その中でも特に重要なのが議事録のレビュー。コンサルタントにとって言葉が唯一の武器なのだが、レビューを受けると如何に適当に日本語を使っているのかが理解できるはず。コンサルタントの基本は「思考」とその「言語化」だが、若手のうちは特に「言語化」の比重が高い。それをしっかりできるようにするために、まずは議事録をしっかりと書ききれるようになることが重要。

毎回、議事録が修正で真っ赤にになるくらいにレビューを受け、作り直し、更にレビューを受け・・・という繰り返しが必要。これを入社後早い時期に受けているか否かは、その後の成長に大きく影響するので、自分から積極的にレビューを要求した方が良い。

 

とは言え、成果物を渡すのは簡単なので問題無いのだが、レビューは上位者からすると手間が掛かるもの。本気でやる相手は限られると思う。

しっかりとした育成を受けたいのであれば、自分自身が「育成に値する相手である」ということを上位者に示すことが不可欠。

 

そう考えると、成長にまず不可欠なのは、このように自分自身を上位者に認めさせることなのかと思う。