プロフェッショナリズムを追求する旅

戦略コンサルタントという理解し難い職を通じて感じるところ等々、徒然に書いて行きます

二流の奴が一流の人と真っ向から闘っても勝てるわけがない

取り敢えず、タイトルを煽る感じにしてみたが、私の一つのポリシーというか闘い方の前提のようなもの。

 

 

特に戦略系ファームの場合、極めて頭が良く、コミュニケーション能力も高い人間が集まっている。謂わば「一流」の人。基本的にはこの中での闘いになる。

恐らく、それまでの偏差値競争の中で「負け」を知らない人達。

「二流」の奴は、殆どが競争の土俵にも立てずにアウトする。

 

前職時代に若手と一緒に遊びに行った際に聞いた若手同士の会話。

「Aさん、高校時代に必死で勉強したって言ってましたよ」

「え、それで慶應?普通に勉強してれば東大なんて入れるのに、頭悪いんだな」

 

確かに二人とも次元の違う頭の良さ(コンサルとしても非常に優秀)だったのだが、東大なんて勉強しても入れる気がしなかった私からすると、何が「普通」なのか良く分からない。

しかし、確かに二人の高校時代の話を聞いていると、「勉強を頑張った」という印象は受けない。(これは、記憶能力が抜群に高いということに加えて、そもそも新しい知識を得ることを楽しんでいるということが大きいと思うが)

 

 

たまに感じるのは、周りに居る人間が私のことを「二流未満」であることを忘れているのではないかということ。

ここで大学名は出さないが、私は学歴的(高校も大学も)には中の上程度だし、職歴については通常であれば戦略系ファームに行き着く道は無いような所からスタートしている。

 

まずもって、「勉強」が本当にできなかったし、そもそも嫌いだった。

その上、努力をすることを全くしなかった。

 

なので、正直、「一流」の人にアドバイスを求められても答えるのは難しい。このブログで書いていることも、あくまでも「ほどほどの人が生き延びて行くために」という視点で、本当にできる人が見たら笑える内容だと思う。

 

ただ、二流未満だからこそ「闘い方」はかなり考えて来た。

間違っても「横綱相撲」に持ち込まれないよう、とにかく「変化相撲」を徹底して来た。「一流」の人と同じやり方をしたら勝ち目は全く無い。

「得意分野」と「働き方」。この2つの観点で徹底的に「差別化」を図って来た。「一流」の人とぶつからないように。

 

特に得意分野。

恐らく、今のファームでは私のことを「組織・人事系に強い」というイメージを持っている人が多いと思うが、実はこれは今のファームに入ってから打ち出したこと。かなり意図的にシフトさせた。そこが空いていたから。

 

前職時代まで、組織系案件はあまりやっていない。人事系も幾度か程度。

前職での私を知る人が持っているイメージは「ビジネスDD(BDD)を大量に取って来て回している人」のはず。ファンドのBDD案件を取って来て一気に回し、投資後のバリューアップ支援に繋げる。これが稼ぎ方だった。

このポジションを取ったのは簡単で、BDDを嫌がる人が多かったから。簡単に「BDDと言えば小暮(仮名)」という評判を取れた。

 

そして、働き方も。

元々、スマートに案件を進めるタイプ、と思っていた。

しかし、前職でそのスタイルでは全く通用しないことを入社してすぐに痛感した。周りに居る同世代の能力が高過ぎるので「スマート」に闘っても全く勝負にならない。私が1日かけて辿り着く結論に、ものの1時間で辿り着くような人と勝負しないといけない。

自分では示唆を出したつもりでも、実は示唆にもなっていない、ということが続いた。マネジャーからあざ笑われる、パートナーに一瞬だけ見て全て却下される・・・等々。

 

そのため、まずは基本スキルを徹底した。最初の総合系時代、私の作業スピードは「圧倒的」と言われていたのだが、戦略系に移り「まあまあ早い」程度の評価に落ちた(基準が上がった)。

無駄な作業を削る、操作スピードを高める、ということを再徹底した。

 

その上で泥臭さ、そして馬力を示した。

入社後すぐに「今までのスタイルでは全く通用しない」と思ったので、頭の良い人が嫌がるような所に立つことで、何とか価値を示した。

 

とにかく、一流の人と競合しない、競争の軸をずらす、ということを意識し続けて来たここまでのキャリアだと思う。

 

二流の分際で一流の人と真っ向から闘って勝つのは不可能。

一流の人がウサギのように昼寝してくれれば勝ち目は有るが、この業界に来る「一流」は、下手したらカメよりも地道に取り組む。

だったら、「かけっこ」での競争は止めた方が良い。

 

但し、先日書いた「土台」が出来てからの話だが。

 

takashi-kogure.hatenablog.com