プロフェッショナリズムを追求する旅

戦略コンサルタントという理解し難い職を通じて感じるところ等々、徒然に書いて行きます

戦略コンサルタントの仕事は「考えること」ということを再認識すべき

戦略コンサルタントの仕事は「考えること」にある。

当たり前のこと。しかし、意外とこのことが忘れられているのではないか?と思うことが多い。

 

まず、「インプットとアウトプット」ということが軸として語られる。案件を進める中で語られることがインプットとアウトプットに終始することが多い。

忘れてはいけないのは、その間に「プロセス」が入るということ。単にインプットとアウトプットだけだと情報ブローカーになってしまう。

しかし、実態としてそのようなスタンスの人が多い。しっかりとした「型」が出来ていない状態で作業効率を強く意識する人ほど、ここを飛ばしてしまう傾向が強いと思う。

必死になってインプットする。様々な情報を探しまくる。大量の情報が見付かる。そしてそのままアウトプットに向かう。

 

自己研鑽についても同様で、インプット量を増やすことに必死になる。それ自体は間違っていない。全ての基本はインプット。

しかし、その後はいきなり「如何にアウトプットするのか」に意識が移りがち。この場合は「物知り博士」になる。

インプットしたことが、要するに何なのか、どのような意味を持つのか、といったような、自分なりの解釈もしくは咀嚼をすることが必要。その上で、取り敢えずすぐには使わないインプットについては一度「熟成」をさせる。

 

この人達の特徴は、「作業」となると基本的にPCに向かっている。画面を閉じていることが無い。

 

何となく、「戦略コンサルタントはPCに向かって仕事をするもの」という認識になってしまっている人が多いような気がするが、これは大きく間違っている。

PCに向かうのは、本質部分ではないインプットとアウトプットの「作業」をするためだけ。それ以外は紙とペンを持つだけで良い。

数学者や理論物理学者と同じスタイル。

強いてPCを使うとすれば、PowerPointExcelではなくてWordもしくはメモ帳。考えるということは形式としては「言語化」なので、これで良い。

 

では、何を考えるのか。

これも勘違いしている人が多いと思う。

「解を考えること」と考える人が居るが、これもあくまでも副次的とも言える要素で戦略コンサルタントの本質ではない。

重要なのは「何を考えるべきか」を考えること。

 

無駄な作業が多くなる理由は、「何を考えるべきか」をしっかりと考えられていないから。考えるべき対象が絞り込まれていないから、やらなければならないこと(=必要となるインプット・アウトプット)が増える。

「作業スピードを上げる」と言うと、Excel等の操作スピードの話に終始する場合も有る。確かに若手が最初にすべきなのはこれらの操作スピードなのだが、アナリスト卒業位からは「如何に無駄な作業を減らすのか」ということに意識を移すことが必要。

アナリストレベルで求められる一定の操作スピードが身に付いた状態からは、作業スピードを2倍にするためには、操作スピードを2倍にするよりも必要な作業量を1/2にする方が遥かに簡単。

 

このためにも、とにかく「考える」ということに意識を回すことが必要。

 

戦略コンサルタントであるならば、まずは「作業」としてざっとインプットをした上で、「さあ仕事をするか」と言ってPCの電源を落とすのが正しいと思う。