「『壁の乗り越え方』の見付け方」を身に付けることが必要
これはコンサルタントに限らない話だと思うが、若手のうちに身に付けなければならない最大のものは「『壁の乗り越え方』の見付け方」だと思う。
恐らく社会人になると、様々な知識・スキルを習得しなければならないはず。コンサルタントに関しては特にこの点は厳しいと思う。かなりの量のスキルを、かなり高いレベルで身に付けなければならない。
恐らく、自分自身がその最中に居る時には「とても高く難しい壁に取り掛かっている」ように感じられると思う。
しかし、振り返ってみると、若手の頃に立ちはだかる壁というのは大したことはない。
「大したことはない」という最大の理由は、若手の頃の壁は「壁の乗り越え方」を教えてもらうことが出来るため。大概、身近な先輩を見ていれば答えが見付かるはずし、「やり方を教えてください」と言って教わることもできる。
その程度の壁。
この「壁」。
今見えている壁を越えると、また目の前に壁が有ることが分かる。そして、その壁を乗り越えると更に目の前に壁が有ることが分かる。
キャリアを続けている限りはこの繰り返し。私自身も嫌になることが有る。
そして厄介なのは、ある時点から他の人の登り方を参考にしても、自分の前に有る壁を乗り越えられないという局面が出て来る。
壁の種類自体が異なるということも有るし、同じ壁でもその人の性格等によって異なる登り方が必要になったりする。
コンサルタントのキャリアの中では、マネジャー手前に存在する壁あたりから、このような状況になると思う。
そうすると、確かに目の前の課題を解決する(壁を乗り越える)ことも重要なのだが、課題の解決方法を見付ける能力(「壁の乗り越え方」を見付ける能力)を如何に早く身に付けるのかが更に重要になる。
このことを十分に意識せずに何となく壁を登り続けると、「壁の乗り越え方」を見付ける能力が身に付かない。そして、ある段階の壁に直面して初めて「どうにもならない」ということに気付く。
コンサルファームの場合、マネジャー手前に非連続的な成長ポイントが存在すると感じている。
そして、かなり多くがここで脱落する。
壁に直面していることを認識して脱落する人も居るし、壁に直面していることを認識せず「これ以上居ても意味が無い」と感じて(道がこの先続いていない、と認識して)辞めて行く人も居るが。
この大きな要因が、目先の知識・スキルを直接的に得ること(器用にこなすこと)に終始して来たため、自分自身で「壁の乗り越え方」を見付けられないことだと感じる。
先日書いた下記の記事にも通じることだが、能動的に取り組むのか、受動的姿勢に留まるのか。この差が大きいと思う。
「自分で考えろ」ということは多く言われることだが、この言葉は上位者が仕事を「放棄」しているように感じられるかも知れない。
しかし、「自分で考える」姿勢を早い段階で身に付けられるかどうか。これはその後のキャリアの中で非常に大きな差に繋がる。
必要なことは
- 自分に常に不満を持ち、何が課題なのかを考える
- 課題を解決するために何をすべきなのかを考える
- その考えに基づき、様々な行動を取る
- 自分自身を追い込み、その行動を研ぎ澄ます
- 研ぎ澄ました行動の結果に不満を持ち、再び課題が何かを考える
ということの繰り返しだと感じる。
戦略系ファームにプロパーで入るような人は学生時代に「壁」にぶつかった経験が無い場合も多い。そうすると簡単に折れる。
一方でそうでない人達は、自分自身を追い込む能力が無かったりもする。
いずれにせよ、社会人になって以降、意識の切り替えが必要だと思う。
しっかりとした意識を持って取り組みを続けられる限り成長できるし、受け身的な、もしくは環境要因に逃げるような意識を持った瞬間に成長は止まる。
自分自身に言い聞かせたい。