書籍録「ねじ曲げられた『イタリア料理』」
ミラノ出身の著者が、日本人が常識として考えているイタリア料理について、真実を書いている。
驚くほどに、日本人が考えている「イタリア料理」が、本来のイタリア料理と異なるのかが分かる。
例えば
- トマトは元々「毒が有るもの」と認識されていて、200年前位まではそれを食べろというのは「お前死ね!」というのと殆ど同じ意味だった。「トマトソースのパスタ」が記録(レシピ)に残っているのは19世紀終わり頃から。
- ピッツァ・マルゲリータはナポリで生まれたが、アメリカで普及し、それが駐留米軍によってそれ以外のイタリアに広められた。北イタリア生まれの著者(1955年生まれ)にとってピッツァはアメリカ文化の象徴だった。
- イタリアで「ピッツァ・ブーム」がが訪れたのは1980年代以降。薪窯が「本格的ピッツェリア」のシンボルとして普及したのもこの頃。
等々。
私はイタリア、特にナポリが好きで、旅行でかなりの回数訪れている。ナポリの「本格的ピッツェリア」に幾度も訪れ、マルゲリータを食べているが・・・。
恐らく、料理なんてこんなものだと思う。少なくとも外国の料理について、それがどの程度の歴史を持っているのかなんて理解できないと思う。恐らく、「スキヤキ」を昔から有る日本料理だと思っている外国人も少なくないと思うし。
それに、料理はかなりのスピードで進化するし。
かなり面白かった一冊。
次にイタリアに行く時には・・・やはり、「本格的ピッツェリア」に行って薪窯で焼かれたマルゲリータを食べたり、トマトソースのパスタを堪能しようと思う。